新年を迎えられましたことを謹んでお慶び申し上げます。
昨年を顧みますと、平成26年4月の消費税増税後に大きく落ち込んだ日本経済は、停滞気味に推移し、家計の実質購買力は改善し、消費の持ち直し傾向にあるといわれておりますが、依然「緩やかな回復」の景気認識であります。水産加工業界は、円安傾向が進み、原材料価格の高騰や電気料金の値上げ、更に労働力の不足と取り巻く環境の状態は未だ変わらず、厳しい経営に置かれております。環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意、平成29年4月からの消費税増税などより今後大きな影響が加わることが予測されています。
また、東日本大震災の発生から5年を迎えます。以前に比べますと、福島第一原子力発電所事故による放射性物質に関して不安が薄らいできておりますが、この事故の与えた心理的影響は大きく、今なお、私ども茨城県の水産業の風評被害は継続しており、水産加工品の販売への影響を受けております。今年は、私ども水産業界にも景気回復の実感が持てるものと信じ、丁寧な製品づくりをし、前向きに取り組んでまいりたいと思っております。
今年の干支の「申年」は、昔から悪いことが去る、病が去る、病に勝るなどと言われ、大変縁起の良い年です。ダーウィンの進化論では、人は猿から進化したという説があるほど人になじみのある動物です。猿は木の上を飛び回る軽快な身のこなし、その伸び伸びとした動きはとても活発です。また、山の賢者で山神様の使いと信じられ、信仰の対象としても馴染み深い動物です。
私ども水産加工業者が、伸び伸びと活発に活動し、今までの悪いことが去るように会員の皆様の力を結集し、輝かしい「未来」に向けて進んで行きたいと思います。
本会の安定的な運営、健全化に向けて、また、水産加工業界の発展に懸命の努力をして参る所存ですので、引き続き一層のご理解ご協力をお願い申し上げます。
最後になりましが、会員の皆様のご活躍とご繁栄を心から祈念いたしまして年頭のごあいさつといたします。
茨城県水産物開発普及協会
会長理事 樫村 喜之