新年を迎えられましたことを謹んでお慶び申し上げます。

 昨年を顧みますと、4月に熊本地震が発生し、8月には連続して発生した台風などが北海道や東北地方に豪雨をもたらし、10月には震度6弱の地震が鳥取で発生するなど、多くの自然災害に襲われ、改めて自然の脅威を思い知らされました。日本経済は、日銀のマイナス金利の導入やイギリスのEU離脱決定や11月のアメリカ大統領選挙など、事前の予測を覆すことが次々と起こり、取り巻く環境の影響を強く受けた年であったと感じております。景気認識は、緩やかな回復基調ですが、平成26年4月の消費税増税以降家計消費は停滞しており、水産物の国内消費の伸び悩み、世界的な水産物消費による原料や資材類の高騰、本格的な人口の減少の到来、労働力の不足など水産加工業を取り巻く環境は更に厳しく、その経営は困難を極めております。

 また、東日本大震災の発生から6年を迎え、施設の復旧・復興はほぼ回復いたしましたが、失われた販路の回復が大きな課題となっております。また、放射能事故に対する不安は薄らいできておりますが、この事故の与えた心理的影響は大きく、私ども茨城県の水産業の風評被害は未だ収束しておりません。放射能等の検査ばかりでなく、異物の混入や衛生管理など、原料から製品まで各段階においていろいろな検査を行い安全な製品を製造しております。引き続き、丁寧な製品づくりをし、前向きに取り組んで参りたいと思っております。

 今年の干支の「酉年」は、運気やお客様を取り込むことから、商売繁盛に繋がると言われております。また、「酉」という漢字は、酒の壺・甕の形をかたどったもので、壺の中の麹が発酵し、熟成することを示すことから、「実る、成る、成熟する、成就する」という意味を持つそうです。

 会員の皆様の力を結集し、諦めず、粘り強く、どんな困難なことでも辛抱強く努力を続け、大きな羽を広げて羽ばたく、飛躍の年となりますよう進んでいきたいと思います。 

 本会の安定的な運営、健全化に向けて、また、水産加工業界の発展に懸命の努力をして参る所存ですので、引き続き一層のご理解ご協力をお願い申し上げます。

 最後になりましが、皆様のご活躍とご繁栄を心から祈念いたしまして年頭のごあいさつといたします

 

                                      茨城県水産物開発普及協会

                                        会長理事 樫村 喜之