新年を迎えられましたことを謹んでお慶び申し上げます。
昨年を顧みますと、連続した台風による長雨、豪雨などの多くの自然災害に襲われました。気象の異変は、加工魚の漁獲へも大きな影響を与えました。
日本経済は、緩やかな景気の回復基調が継続していますが、トランプ大統領が就任しアメリカ第一主義の政策やEUの保護主義勢力の拡大、核・ミサイル問題に現実味を増す北朝鮮への不安の増長など国際間の緊張の高まりは新たなリスクとして先行きの不透明感を増大させるところとなっています。 事前の予測を超えるほどの変化が次々と起こり、取り巻く環境の影響を強く受けた年であったと感じております。
このような状況の中、私どもをめぐる状況は、依然として伸び悩んでいる個人消費、水産物の国内消費の減少、世界的な水産物消費による原料や資材類の高騰、本格的な少子高齢化社会による人口の減少の到来、労働力の不足など水産加工業を取り巻く環境は更に厳しく、その経営は困難を極めております。
また、東日本大震災の発生から間もなく7年を迎えますが、依然として失われた販路の回復が大きな課題となっております。また、放射能事故に対する不安は薄らいできておりますが、この事故の与えた心理的影響は大きく、私ども茨城県の水産業の風評被害は未だ収束しておりません。そのような中、異物の混入や衛生管理など、原料から製品まで各段階においていろいろな検査を行い安全な製品の製造を常に心掛けております。引き続き、丁寧な製品づくりをし、前向きに取り組んで参りたいと思っております。
今年の干支の「戌年」の戌は、茂と言う字に通じ、植物が盛んに成長し土地が豊かであることを表しています。「戌」年にふさわしく、日本経済がさらに成長し、今年こそ、好転に向けた兆しが地域の隅々まで浸透し、中小・小規模企業に活力を与えていただくことを期待いたします。
「戌」の干支の特徴は、勤勉で努力家、素晴らしい成果がでるよう邁進していきたいと思います。
本会の安定的な運営に向けて、また、水産加工業界の発展に懸命の努力をして参る所存ですので、引き続き一層のご理解ご協力をお願い申し上げます。
最後になりましが、会員の皆様のご活躍とご繁栄を心から祈念いたしまして年頭のごあいさつといたします。
茨城県水産物開発普及協会
会長理事 樫村 喜之