茨城県では漁業と共に水産加工業が盛んで、地元に水揚された漁獲物を干物に加工し発展してきました。いわし丸干、さんま開き、さんま丸干、さば開き等の加工品が中心でしたが、近年では、食嗜好の変化や地元水揚原料魚の不足から、原料を移輸入して干物を生産する業者が増えました。
あじ、かます、しず、赤魚、ほっけ、さば、かれい、かさご、きんき等の新鮮な原料を加工して、既存の加工品に加えて新しい干物の産地を形成してきました。
加工方法
加工品目によって若干製法が異なりますが、一般的に新鮮な冷凍原料を解凍し、丸干類はそのまま塩水漬工程を行い、その後竹串等の串に一尾ずつ手作業で頬に串を刺します。その後、ジャブジャブ表面の汚れを水洗いして乾燥を行います。
一方、開きやフィレーの干物は魚体処理機や簡単な割裁機で魚を開いたり、三枚に卸したりし、その後内臓やえらを除去します。せいろに並べ、ジェット噴射式洗浄機や手で汚れを洗い流します。その後、塩水に漬け込みます。魚体に塩味がつくと共に水分が脱水されます。この塩水付け工程は、魚種、魚体の大きさ、鮮度、出荷先、作業手順等で塩水濃度、漬け込み時間が異なり、また、企業によっても異なります。
その後、表面に付着する汚物を取り除く程度の簡単な水洗いを行い、乾燥工程に入りますが、乾燥は一般的には冷風機械乾燥が行われますが、製品によっては天日乾燥を売り物にして行っている業者もあります。
乾燥が終わると、きずものを除き、大きさや重さ別に選別して出荷先に応じて箱詰めやパック詰め包装して-20ºC以下で冷凍保管します。また、一般的に-20ºCの状態で流通出荷されます。
できあがった干物製品のいろいろ
- かます開き
- ししゃも
- 丸干いわし
- さば文化干し
- さんま開き
- 丸干さんま
- あじ開き
- ほっけ
- 赤魚
美味しい食べ方
干物は焼いて熱いうちに食べるのが一番です。時にはから揚げやフライにして食べてみてはいかがでしょうか。